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薬剤師は転職で優位?不利?現在の転職市場を解説

薬剤師転職   861 Views

薬剤師は人手不足で転職市場では売り手市場である、と認識している人は多いかもしれませんが、実際の状況はどうなのでしょうか?

現在の薬剤師の転職市場の状況を紹介する共に、調剤薬局や病院、一般企業など、薬剤師が活躍できる業界、それぞれの中途採用はどのような状況なのか、さらにはタイムリーな転職市場の情報収集の方法などを解説します。

薬剤師は本当に人手不足なのか?現在の求人の状況を解説

現在の薬剤師の転職市場の状況は果たしてどのような状況なのか、薬剤師の募集状況や薬剤師を必要としている業界の動向を紹介します。

薬剤師の有効求人倍率

「有効求人倍率」とは、「一人の求職者に対してどの帝都の募集数があるか」という比率です。2014年時の「医師・歯科医師・獣医・薬剤師」の求人に関する統計では、求人倍率は10.05倍という結果が出ています。単純に考えると求職者一人に対して10件の募集案件がある、ということになります。

ちなみに、この時の日本の有効求人倍率が1.07倍ですので、他の職種と比較すると突出して高いことが理解いただけるでしょう。

医師や歯科医師、獣医といった職種と同列の統計結果ではありますがこの中で薬剤師の倍率だけが低いとは考えにくく、薬剤師が人手不足であることは間違いありません。

※労働市場分析レポート(平成26年5月) 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000066750.pdf

なぜ薬剤師は人手不足なのか?

毎年、薬剤師の国家試験に合格した学生が大学を卒業していきます。薬剤師は増えていっているはずですが慢性的な人手不足が続いていることに疑問をお持ちになる方もいるかもしれません。

人手不足の大きな理由は調剤薬局やドラッグストアの増加です。

ドラッグストアによっては24時間営業を行っている店舗もありますし、人が集まりにくい地域にも出店を行っています。そのような店舗では薬剤師の確保が難しくこれからもこの状況は続くでしょう。

この他にも、2016年に施行された「かかりつけ薬剤師」を希望する薬剤師が増え人材確保が難しくなったといった理由や、そもそも薬剤師の国家試験の合格率が低下し業界の想定より薬剤師が増えていないから、という理由も人手不足の要因として挙げられます。

誤解していただきたくはないのは、薬剤師を必要としている全ての業種や業界で人手不足というわけではないのです。現在は採用する側と転職希望者との需給バランスがおかしい状況です。

現在の薬剤師の就労状況

薬剤師はどのような職場で勤務しているのか、その状況を紹介します。厚生労働省の統計結果では、「薬局」で勤務している薬剤師の割合が最も高く全ての薬剤師の57.1%を占めます。次いで「医療施設」に勤務する割合が高く19.3%、さらに「病院」(17.3%)が続きます。

以下「医薬品関連企業」(13.9%)、「衛生行政機関や保健衛生施設」(2.3%)、「診療所」(2.0%)、「大学」(1.7%)となります。大半の薬剤師が薬局で勤務している状況です。

※2016年度 医師・歯科医師・薬剤師調査の概要(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/16/dl/gaikyo_b1.pdf

薬剤師の転職市場と動向を業界別に紹介

薬剤師が活躍可能な様々な業界の転職市場の状況や動向について解説します。

調剤薬局

調剤薬局は全体的に見れば人手不足です。ただし、人材難で悩んでいるのは地方の調剤薬局や、中小規模の企業が運営している調剤薬局です。都市部は薬剤師が多数存在しますので、交通の便が良い、周りの環境が整っている、といった調剤薬局は人気があります。

また、大手企業が運営している調剤薬局は福利厚生が整っているので応募を希望する薬剤師は多く存在します。決して「売り手市場」ではありません。

選考では、都市部や大手の調剤薬局が企業主導の交渉となり、場合によっては待遇等の希望を叶えることができないかもしれません。反面、地方や中小規模の調剤薬局は採用意欲が非常に高いため応募者が優位に交渉を進めることができる可能性が高いです。

ドラッグストア

ドラッグストアも調剤薬局同様、人手不足の状況が続いています。理由は業界内の競争が激しく各社とも出店のペースが衰えない中、調剤薬局併設の店舗では薬剤師は必要不可欠だからです。さらに、24時間対応可能な店舗など勤務条件が厳しい店舗も増えているため、ますます薬剤師の人材確保を難しくしています。

従来ドラッグストアは薬剤師には人気の低い職場でした。商品の陳列やレジ打ちなど、店舗の店員と同様の業務を行わなければいけない、というイメージがあったからです。しかし現在、調剤薬局の併設などで一般の店舗の店員と同様の業務をする必要はなくなっています。

薬剤師の確保の難しさもあり希望が通りやすい状況でもあるので、好待遇を希望する薬剤師にとっては有力な選択肢の一つかもしれません。

病院

薬剤師にとって病院勤務はキャリアアップ、スキルアップという観点から人気の高い職場です。しかし転職難易度が高い職場と言えます。理由は、病院は新卒採用で必要としている人員を確保できるので、中途で人員を採用する時は何らかの事情が発生しない限り滅多に募集を行うことがないからです。

薬剤師からの人気の高い病院勤務ですが、病院は夜勤や当直がありますし、慢性期病院と急性期病院とでは業務内容が大きく異なります。

自身の希望をしっかりと定め、応募を考えている企業が希望に合致しているかどうかを見極めてから応募してください。

メディカル関連の企業

医薬品メーカーや医療機器メーカー、医薬品開発支援企業といった企業では薬剤師資格を活かせるポジションの募集を行うことがあります。

例えば、研究開発、薬事申請、臨床開発モニター、治験コーディネーター、製薬企業のMR、管理薬剤師などです。

ネガティブな評価
事業会社の転職に関して、薬剤師資格は有利ではあるものの選考に大きなアドバンテージがあるとは言えません。あらゆる職種の募集と同様、書類選考から複数回の面接(企業によっては適性検査などの筆記試験)を経てクリアした方でないと入社することができません。

採用する側や主体で選考が進み、企業の規定で待遇が決定することになります。

薬剤師はどのように転職マーケットを把握すればよいのか

薬剤師の転職市場の状況を説明しました。転職市場も水もので日々変化していきます。希望の転職を実現するためにはタイムリーな情報収集は非常に重要です。

最適な情報収集の手段を紹介します。

転職エージェント、転職サイト

刻々と変化する転職市場の状況ですので、インターネットでの転職市場動向のチェックは有効な情報収集の手段であり、転職サイトや転職エージェントのWEBサイトは欠かせないツールでもあります。転職を希望される薬剤師は日々チェックしてください。

さらに、転職エージェントに登録し、コンサルタントから情報収集する、転職に関する相談を行うことも有効です。現在、転職エージェントの数は非常に多く多種多様です。

メディカル業界専門の転職エージェントや薬剤師の紹介をメインとした転職エージェントも存在します。ご自身の意向に合致したエージェントに登録しましょう。

ハローワーク

ハローワークも薬剤師にとって有効な情報収集の手段の一つです。転職サイトや転職エージェントを利用しない医療機関や調剤薬局がハローワークを利用して募集を行うことがあるからです。

基本的に転職サイトや転職エージェントはコストがかかりますがハローワークは無料で採用することができます。採用にコストをかけたくない調剤薬局や医療機関はハローワークを使って採用活動を行っています。

地域に密着した運営を行っている小規模の調剤薬局や病院などの募集を見つけることができるかもしれません。

薬剤師が転職市場を把握する際に気を付けなければいけないこと

薬剤師が転職市場の情報を収集する際には注意しなければいけない点があります。転職活動を成功させるために必要なことですので是非実行してください。

転職サイト、エージェントは複数を利用する、登録する

転職サイトや転職エージェントは、一つだけ登録するのではなく、複数利用することをおすすめします。情報が偏らないようにするため、独自の情報を持っているサイトやエージェントの有力な情報を逃さないようにするためです。

自身の希望を明確にして情報収集を行うこと

転職市場の情報収集を行う際には、希望をしっかりと持たないと情報に流され、本来の目的とは異なる転職をしてしまう可能性があります。

転職を考える理由は待遇、仕事内容、環境改善など人によって様々ですが、現在は転職市場の情報収集の方法や手段は多岐に渡り、しかも容易に行うことができます。情報収集している段階で情報過多になり状況に流された活動をしてしまう可能性があるからです。

まとめ

現在、そして近い将来も薬剤師の人手不足は続くはずです。しかし、「人気のあるポジションでも募集がある」という状況ではありません。人手不足だからといって希望の職場に転職ができるとは限らないので注意してください。

結局、

  • 希望の職場へ転職できるかどうかは計画を立てる
  • 情報収集を行う
  • 選考には対策をして臨む

ときっちりと活動できるかどうか次第となります。薬剤師も同様です。

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