面接官はどのような意図で質問をしているの?面接での質問の目的と意図を徹底分析!
中途採用の面接で面接官は応募者に様々な質問をします。面接での質問は同じような質問が多いので形式的な回答で問題ないと感じている方がいるかもしれませんが、全ての質問にそれぞれ目的がありますので決して油断してはいけません。
面接での質問の目的や面接官がどのような意図で質問をするのか、また、面接での想定質問に対する回答のポイントを紹介します。
面接官がどのような視点で応募者を見ているか
まず、面接で面接官がどのような視点で応募者を評価しているのか、そのポイントを挙げてみます。面接でのすべての質問は下記のうちいずれかに該当する、と言っていいでしょう。
ビジネスマンとしての常識や知識、姿勢を持っているかどうかの確認
中途採用は「応募者は社会人としての経験を積んだ方」という前提のもと選考を行います。応募者が社会人としての教育をされているかどうか、また社会人としての常識を持っているかどうかは評価するポイントになります。
挨拶や面接官の話を聞く姿勢、言葉遣いは当然のことながら、現在の日本や世界の経済状況や社会情勢、政治問題などといった時事問題に関心を持ち自分なりの意見を持っているかどうか?
さらには企業に訪問してから受付、面接開始から終了、企業を退出するまでの態度などあらゆる視点でチェックをされていますので意識しなければいけません。
入社後、即戦力で活躍してもらえるかどうかの確認
中途採用の大きな目的は「即戦力採用」であり、新卒採用のようにポテンシャル採用が目的ではありません。企業は入社後すぐに貢献していただける方を採用します。ですので、企業は面接で応募者が経験した職務の内容、ポジション、ミッション、さらに挙げてきた実績を確認します。
面接では今までの経験や実績は具体的に、客観的に、しかも面接官が納得できるように説明できるようにしなければいけません。
定着してもらえるかどうかの確認
いくら即戦力で活躍でき、さらにヒューマンスキルに優れた方を採用できたとしても短期間で退職されたら企業にとっては意味がありませんしむしろ損害となります。入社後、長きに渡り活躍いただける方かどうかは大きな評価ポイントの一つです。
面接では定着性を計るために様々な質問をします。
応募企業への意欲や熱意があるかどうかの確認
企業は高いモチベーションを持っている方を採用したい、と希望していることはご理解いただけるはずです。学生生活や勤務していた企業で、学業やクラブ活動、職務に対してどのような姿勢で取り組んできたのか?といった確認は意欲や熱意を判断する要素となります。
応募する企業への志望動機が「強い意欲が感じられる具体的で納得がいく動機かどうか」も重要な評価ポイントです。
応募者の本質を見抜く、対応力を見る
面接の回答に整合性があるかどうか、矛盾はないのか、といった点は応募者の本質を見抜くために面接での全ての質疑応答でチェックされているとお考えください。もし整合性のない回答や矛盾のある回答をすると間違いなく評価が下がります。
多少自身の意図と異なる模範解答を準備したとしても、面接では必ずほころびが出るのでご注意ください。面接官はプロですのでごまかせません。誠実な対応をすることが大切です。
企業によってはロールプレイングの実施や回答に困る内容(クレームが発生した、複数の利害関係者の間で最適な対応を行う場面に遭遇した、などの場面を想定)の質問をわざと行い応募者の対応を見ることもあります。
事務的な質問
現在の年収や希望の年収、転勤は可能かどうか、入社可能日の確認です。これらの質問はその企業に入社すると仮定し、そのために必要な情報と言えます。
面接で出る可能性が高い想定質問集と回答するためのポイントとは
では、面接で聞かれる可能性の高い質問を具体的に紹介すると共に、回答するためのポイントを解説します。
面接官の意図を考え回答しましょう。
自己紹介をしてください
応募者がビジネスマンとしての常識や知識を持っているか、の確認です。言葉遣いや説明の方法で判断します。面接の自己紹介の所要時間は1分~1分半で話し終えるような内容が一般的です。
企業によっては「5分程度で」と長い時間で自己紹介をするように要請することもあります。応募者の本質を見極め、対応力を判断するためです。
現職を退職したいとお考えなのはなぜですか?
転職理由は中途採用において重要な評価ポイントであり、この質問は入社して長期間勤務してもらえるかどうかを判断するための質問です。
転職理由の確認は、退職することが正当な理由かどうか、自身では解決できないやむを得ない理由かどうかを確認しますので、自分の不満(待遇面など)が前面に出てしまってはいけません。面接官が納得できるような理由を伝えてください。
なぜ弊社に応募されたのですか
志望動機の確認は、意欲や熱意(その企業に本当に関心を持っているのかどうか?企業のことをしっかりと調べてきているのかどうか?)を判断するための質問であり、退職理由と矛盾していないかどうかをチェックし定着性を判断しています。
ご自身の強み(や弱み)はどのような点ですか?成功例(や失敗例)を教えてください
自身を客観視して理解しているのかどうか、またそれを説明できるかどうかの確認です。
また、応募者の強みや弱みがわかれば他の社員との比較ができますので社風と合致しているかどうか判断できます。さらに応募者の弱みや失敗例が確認できれば困難に対してどのような姿勢で取り組んでいるのか?(重要な選考ポイントです)が理解できます。
弊社に入社してどのようなことをしたいとお考えですか?
入社後のキャリアプランを確認すれば、応募者の企業に対する意欲や熱意の確認になります。高い意欲や熱意が感じられれば入社後の活躍が期待できますし定着性も期待できます。
企業が社員に提供できるキャリアプランと比較し、応募者が社風に合っているのかどうかの確認もできます。
現職の年収額でご希望の年収額はどのぐらいの金額ですか?いつからご入社できますか?
事務的な質問です。この質問が出た時は面接官が応募者に関心を持っていると考えてよいでしょう。興味のない応募者に待遇面や入社可能日に関する質問をすることはほとんどありません。
かといって面接で待遇面や入社日に関する質問が全く出なかったとしても「脈がない」とは言えませんのでご注意ください。面接で待遇に関する話を全くしない企業もあります。
何か質問はありますか?
面接官が行う応募者への疑問点の確認は、事務的なものではなく企業側が行う意欲の確認です。必ず質問をしてください。「何もありません」と答えると、その企業に対して入社意欲がないように感じられます。
企業への質問は「その企業で勤務すると仮定して気になる点」という観点で行ってください。いくら気になるとはいえ、待遇や処遇に関する質問しかしない応募者に対して面接官はネガティブな印象を持ちます。
まとめ
面接官が行う質問の意図と想定質問集、その回答のためのポイントを紹介しました。想定質問には回答を準備した上で面接に臨むことになるでしょうが、面接での質問の回答は「結論ありき」(「〇〇です、それは~だからです。」というように)で答えるように心がけてください。
また、実績などを伝える時は、数字など具体的な情報を挙げ、客観的に理解しやすいようにしてください。そうすれば面接官にきちんと意図が伝わります。
面接での質問の回答は、模範的な内容を伝えればよい、というものではありません。ビジネスマナーや意欲、コミュニケーション力もしっかりとチェックされているので、言葉遣いや声のトーン、姿勢にも気をつけて回答するようにしましょう。